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首を掴む亡霊ー④

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社務所に向かうため、荷物をまとめるとAさんから船長の携帯電話に連絡が入った。

『おはようございます、昨夜はゆっくり眠れましたでしょうか…、社務所に来ていただいたら軽食準備しておりますのでお待ちしております』

はい❗️ゆっくり眠れました、ありがとうございます。今荷物をまとめていますので、準備でき次第そちらに向かいますと連絡すると戸締りを確認した私達は神事に参列するため、Aさんの実家をあとにしました。

車中、あの生首を掴むように持つた亡霊の正体や少女の霊の話、霊符の話を当然のように話をする船長だったのですけれども、私は黙って話を聞いていました。

社務所に到着すると、拝殿奥の中殿にいるAさんを確認できましたが、私と船長は入ることができません。中殿は拝殿と神殿の間にある、奉上する神事に関係する宮司、神官、極限られた役員しか入殿を許されません。来賓役員の私達が入れるのは神事が始まる前の拝殿までしか入れません。

Aさんは私達に気がつくと、1人の女性を呼び、耳元に何やら伝えている様子でした。その女性は何度か頷いて私達に近づいてきました。私は女性が着用している服をみて浅黄(あさぎ)色という薄い青緑と言うような袴を着用していため、神社では奉仕、ボランティア役員の方がよく着用するので地区のボランティアの方と思っていると、その方はAさんの娘さんでした。

話とは関係ないのですが、山村紅葉さんに似ていた。

『父が、手を離せないので社務所で朝食をいただいて下さい』と言う。

父と言う事はAさんの娘である事を確信した私達は神事前に色々と娘さんとお話しをしたかったのですが、娘さんも大変忙しそうで、夜中での出来事や話は結局場違いな雰囲気で結局何も話を切り出せないまま神事に参加後、挨拶のタイミングすら合わずそのまま帰宅しました。

それから年が明け、今年の7月初旬に私達の氏神神社での神事にAさんが代理を務めていた総代のKさんが、病から復帰して夏季大祭に参加していた。挨拶を交わした後談話中にAさんの話になり

『てつちゃんか、てつちゃんはな昨年亡くなった』と言う。

驚いた船長は拝殿奥で他の役員と話をしていた私を呼ぶと、Aさんは亡くなったと聞いてびっくりした。

考えてみるとAさんは80はとうに越していて何かあっても不思議ではない歳だったが、総代のKさんとは従兄弟になりKさんもあの屋敷に小さい時は良く遊びに行ったのだそう。

来週昨年開催された祭事はコロナの影響で中止となったが神事はあると言うので、船長とAさんの参りも兼ねて行ってみる事にしました。

Kさんが言うには実家を管理していた娘夫婦とAさんの奥さんが現在は住んでいると言うので、あの奇妙な体験から約1年ぶりの屋敷訪問になる、

あの霊符のようなお札はきっと生首を掴む亡霊を封じる為の御札に違いない、少女はあの霊が海で溺死した少女の霊かな…、勝手な推測をして車を運転する船長の言葉に私は黙っていた。

昨年来賓で訪問した神社を参り、Aさんの実家に到着すると、

山村紅葉さん似の娘さんが出てきた。昨年と違ってパーマをかけていた(全然関係ないが…)

突然の訪問にピンとこなかった娘さんでしたが、次第に『おー、おー、ハイハイ思い出しました、社務所で朝食をいただいたお2人ですね』と屋敷内に案内していただきました。

Aさんの娘さん、Aさんの奥さんとの4人での会話になりましたが、

昨年のエピソードを話すきっかけが、Aさんの奥さんのある一言で、私から切り出しました。

『ともみ、麦茶お代わりを2人にいれんね』そう話をした時、娘さんの名前はともみさん❓、あの少女の名前は友美…。

『娘さんともみと言う名前なのですね、(少し遠慮しいしに聞いてみると)』

『はい、知美と言います。』

『身内、親族に小学生…、学年で言うと3年生くらいの子に心当たりありませんか❓名前は友美…。』

知美さんは驚いていたが、Aさんの奥さんは、

『友美は、知美がお腹の中にいるときに死んだ子でね、うん、漢字は違うけれども名前は一緒にした。』

Aさんの奥さんは立ち上がって、引き出しから白い封筒を取り出して中から戸籍謄本を取り出し私達に見せた。

確かに友美の欄に斜線が引かれている。漢字を同じにすると受理できない言うから、漢字を変えて受理してもらった…。

『どうしてわかったんですか?』とびっくりして知美さんが言うと、船長が昨年の体験話をしました。

『友美出たのね…、』とAさんの奥さんが言うと知美さんも幼少の頃から姉らしき少女を良く目撃していたけれど、割と恐怖感は無くて、『あ、いま姉が階段上がってるなと…、実家でも何度か見たなーとか、。
でね、わりと見ると後で良い事あったりもして…』

『供養はちゃんとされているからでしょう。』と言うと、うん毎月御寺さん来てもらって御先祖様と一緒にお経あげてもらっているという。

生首を掴む亡霊について、実は密漁者の可能性が高いという、実際私は霊気を感じなかった事と、人影はみたが、生首を掴む亡霊のような姿を見たのは船長だけで、ここら一帯はサザエ、小アワビが沢山取れ、知美さんも夜密漁者の姿を目撃して、区長と漁協組合に連絡していると説明してくれた。

最後の霊符のお札について、Aさんの奥さんが言うにはここに、嫁にきた時から貼り付けていてAさんに聞くと、『あれはKが夏休みに遊びにきた時に神社からもらったとか…どうかとか、ようわからんけん、Kがようしっちょると思うと言う』

知美さんも霊符のようなお札についてはわからず、気味が悪いけど接いだら駄目なんだろうなと思っていたらしい、後日Kさんに確認すると、

『あー。お札か、あんお札はな、Aさんの実家に遊びに行った時、神社の古札納めの箱から取って来て、神主ごっこしながら御朱印をベタベタ貼ったやつ』昔は遊び場がなくてな、神社の境内が遊び場だったから、古札納め入れからお札とってきて、遊んだという、他人宅にあったお札を、このような形にして何年も置いている、めちゃくちゃ振りが、驚きを隠せないのですが、
無茶苦茶だな。


原因がわかり、船長と2人屋敷を後にすると、私は船長の背中をドンとした。

船長は苦笑しながら、振り向かない。


だから言ってやった❣️

何が亡霊を、封じ込める霊符だ、密漁者やないか❗️

もうお前は信用ならん‼️💢







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